2020.06.23

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コラム

メルマガ施策における開封率改善の進め方

コラムはアイレップが運営するWebメディア「DIGIFUL(デジフル)」からご覧いただけます。

本コラムでは、主にBtoB企業や、高関与商材と言われる高単価で検討期間が長い商品(車や不動産など)を扱うBtoC企業のマーケティング担当者の方向けに、闇雲に取り組まれがちなメルマガ件名テストによる開封率改善の進め方を順序立ててお伝えします。

1.インバウンドマーケティングにおけるメルマガの立ち位置と開封率の重要性

近年着目されているインバウンドマーケティングという手法

インバウンドマーケティングとは、”情報を探している人を自社のホームページに呼び込み、メルマガの行動やウェビナーの視聴、ホワイトペーパーのダウンロードなどをきっかけに接点を持ち、見込み顧客との関係性を構築・育成していく手法”です。
(参照:改めて知っておきたいBtoB企業のマーケティング新潮流「インバウンドマーケティング」の仕組みとはじめ方)
特に購買プロセスが長いBtoB企業のマーケティングや、BtoC企業の中でも多様な情報を取得しつつ長い検討期間を要する高額商品(不動産や車など)を扱う企業におけるマーケティングの手法として近年着目されています。

図1:インバンドマーケティングの2つの軸

(図1:インバンドマーケティングの2つの軸)

インバウンドマーケティングにおけるメルマガ施策の役割

リードジェネレーションによって創出された見込み顧客に対するリードナーチャリング施策の1つとしてよく使われるのが、MA(マーケティングオートメーション)や各種ツールを活用したメルマガ施策です。メルマガの送付および開封はサイトへの訪問を促すきっかけとなるので、インバウンドマーケティングにおいて極めて重要な役割を担います。メルマガが開封されなければ、見込みの高いリードに対してどれだけ手の込んだ文面を送ったとしても商談化、受注にはつながらないのです。

メルマガ開封率改善の考え方

開封率に関わる要素は送信曜日、送信時間、受信者(送信対象者)、件名などさまざまです。企業によっては、曜日や時間で送るメルマガのテーマが決まっているなど制約条件が多く変えられないものが多い中、「件名」は柔軟な変更が可能なため改善活動を通じて高い開封率の実現につなげられます。

件名と言っても要素整理をすると訴求軸(何を伝えるのか)、ギミック(それをどのように伝えるのか)と分解して考えることができます。この組み合わせで1つずつ有効な要素を発見すること、さらに有効な要素の組み合わせでの有効な件名の傾向を発見すること。これがメルマガ開封率の改善につながります。

2.件名テストによる開封率改善活動の進め方

改善活動の過程全体像

開封率改善につながる件名テストのステップを紹介します。「現状把握」、「パターン洗い出し」、「検証要件整理」、「検証実施・レポート・施策反映」の流れで進めます。以降、順に簡単にご説明します。

現状把握

過去に送信したメールの件名と開封率に関するデータを収集して、現在の状況を把握することから始めます。早く検証を始めたくなる気持ちも分かりますが、現状を理解することで課題を発見し、適切な仮説を立てることができます。

分類と傾向の可視化

データを集めたら件名の分類を行い、訴求軸の分類ごとの開封率の傾向を見出しましょう。例えばこれまで配信してきたメルマガの件名の訴求軸をグループA「メリット訴求」、グループB「最新性訴求」、グループC「具体性訴求」、グループD「限定性訴求」…などのように分類して平均の開封率を見てみます。ギミックの分類についても同様です。グループa「【】による強調」、グループb「疑問形式」、グループc「数字表現」…のように分類して開封率を算出します。

開封率の良い件名の傾向がいくつか大まかに見えてくるはずです。例えば、訴求軸に関してはグループAとグループCが、ギミックに関してはグループbとグループcが比較的高い開封率を示している、などです。そのような傾向がこの時点で明らかになっていると、検証および改善活動をより効率的に進められます。

加えて、担当者ご自身が「こんな件名来たら開封してしまうな」と思うような要素もここで新たにいくつか検討しましょう。それまで実施していなかった要素が思わぬ効果を生む可能性もあります。

検証要件整理

分類した要素と追加要素をもとに検証対象要素を整理しましょう。把握した現状の数値傾向と追加検討から今回検証する対象の要素を整理します。今回はトーナメント式に要素を1つずつ対戦させ、成果が良かった要素を勝ち要素として採用します。各要素をトーナメント表に配置しましょう。同時にトーナメントの各対戦を送信スケジュールに落とし込み、数値を確認するタイミングもスケジュールに落としこみます。

検証実施・レポート・施策反映

設定したスケジュールに則って検証およびレポートによる結果確認を実施していきます。トーナメント方式で勝ち上がってきた要素を把握します。この作業を繰り返していくと、訴求軸とギミックそれぞれで勝ち要素が特定できてきているかと思います。

ここでそれぞれの勝ち要素を正として組み合わせて単純に(検証を続けることをせずに)施策へ反映したくなりますが、ひと手間加えてより有用な成果を得ましょう。勝ち要素同士を組み合わせた場合でも相性による影響があります。実際に件名へ反映していくフェーズにおいても、勝ち要素の中でいくつかの訴求軸×ギミックの組み合わせで複数パターンの検証を行いながら高開封率につながる件名の傾向をや示唆を継続的に発見していきましょう。

Summary

このように、件名テストによる開封率改善は現状把握、検証パターン洗い出し、検証要件整理、検証実施・レポート・施策反映の流れで行っていきます。地道な作業ですが、闇雲に当たりはずれを試すよりも1つずつ過程をクリアしていくこと、検証活動を継続することで着実に効果改善につなげることができるでしょう。

インバウンドマーケティングの実践において、メルマガの開封率以外にも様々な課題を多くの企業が抱えています。例えば、リード獲得の前提となるサービスサイトやコンテンツが整備されていないこと、メルマガ含めたMAの運用が本来の意図通りに運用されていないこと(導入しただけ)などです。

図2:インバウンドマーケティングの実践

それらの課題に対して弊社はサイト制作やSEO対策、コンテンツ制作、MA実装などのサービスを一貫でご提供しております。詳しくは資料ダウンロードまたはお問い合わせください。

執筆者 DIGIFUL編集部

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