2019.11.27

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コラム

Amazon SEOとは?Amazonで上位表示を目指すために必要なこと

コラムはアイレップが運営するWebメディア「DIGIFUL(デジフル)」からご覧いただけます。

“Amazon SEO”という言葉をご存知でしょうか。Amazon SEOとは、米国発の大型ECサイト「Amazon」内で行うSEO(Search Engine Optimizationの略。検索エンジン最適化)です。一般的にSEOは、Googleなど検索エンジンのオーガニック検索における表示順位を高め、アクセス数を増加させることです。これが転じて、Amazonストア内のオーガニック検索結果で自社の商品ページを上位に表示させ、閲覧数・購買率の向上を目指すことを“Amazon SEO”と呼称されるようになりました。本記事では、Amazon SEOの基本について紹介します。

Amazon SEOが必要な理由

まずはAmazonというサービスについて考えてみましょう。AmazonはECサイトなので、サービスのゴールはユーザーに商品を購入してもらうことにあります。ゴールを実現するためには、より多くのユーザーを商品ページに流入させなければなりません。もちろん、商品ページに流入した人の購買率を上げる、ユーザー単価を増やすといった指標も売り上げの増加に影響しますが、これらの要素もユーザーがまず商品ページを訪問することが前提に成り立っています。

そのため、Amazonでは、Webサイトに訪問したユーザーがスムーズに商品ページを訪問できるようにさまざまな経路を用意しています。主な経路に、Amazon内検索、カテゴリ・絞り込み、特集やほかの商品ページ(「この商品を買った人はこんな商品も買っています」など)があります。このうち利用者の大半はAmazon内検索を行って商品ページに辿り着いています。一億種類以上の商品が存在するAmazon内で欲しい商品のページに辿り着くには、「直接キーワードを入力して検索を行ったほうがよい」と、誰しも感覚的に理解しているのでしょう。

Amazon内検索を経由するユーザーが多いのには、ほかにも理由があります。AmazonというWebサイト自体がGoogleの自然検索結果で上位に表示されやすいためです。Googleなどの検索エンジン経由でキーワードを入力してAmazonのWebサイトを訪問する場合、ユーザーは初めから「欲しい商品と類似の商品ページ」か「欲しい商品カテゴリの一覧ページ」など、ある程度まで条件が絞り込まれた状態のページに辿り着きます。そうすると、ユーザーの次のアクションは、「Amazonの検索窓に細かな条件や具体的なキーワードを入力する」となり、やはりAmazon内検索を利用して商品ページを探すことになります。つまり、ユーザーの主要な購買経路となるAmazon内検索において、多くのユーザーが検索する言葉で自社の商品ページが上位に表示されれば、閲覧数や購買率の向上が期待できるのです。

Amazonの検索エンジンA9の仕組み

Amazonでは、PC表示のキーワード検索結果画面の1ページあたり、16~48件ほどの商品が自然検索結果として表示され、その表示形式にはグリッド型とリスト型の2パターンがあります(2019年10月時点)。Googleの自然検索結果が1ページあたり約10件表示されることを踏まえると、Amazonのほうが1ページ目への表示難易度が低い印象を受けるかもしれません。ところが、Amazonでは、スポンサープロダクト→自然検索結果→スポンサープロダクト→自然検索結果→スポンサープロダクト→……といったように、自然検索結果の前後にスポンサープロダクト(広告)が多く挿入されるため、ユーザーは1ページあたり50件を超える商品を目にすることとなります。恐らく、大半のユーザーは2ページ目に掲載されている商品ページまで目を通さないまま、1ページ目上部で商品詳細ページをクリックするでしょう。つまり、Amazon SEOを行う際には、目安として1ページ目の上部(1~8位)の表示を目指すことが推奨されます。

Amazon内の順位は、A9と呼ばれる検索エンジンのアルゴリズムにより決定されています。A9は、Amazonが独自に開発しているAmazon内検索に特化した検索エンジンです。 A9のアルゴリズムは、Amazon内で検索されるキーワードと商品との関連性を判断し、購入可能性の高い商品を上位に表示します。Googleの検索エンジンと似た仕組みのように感じられますが、GoogleはWebサイトを検索結果に表示する、A9はAmazon内で出品されている商品ページを検索結果として表示する、というように検索対象に差があります。とはいえ、いずれのアルゴリズムも「ユーザーの検索意図」に注目していることに違いありません。ユーザーの検索意図に応えるような商品ページを設計していけば、A9から評価され、検索結果の上位に表示されやすくなると考えられるのです。

ただし、ここで忘れてはならないのがAmazonはECサイトだという点です。当然、順位の決定要素のひとつに「商品が売れるかどうか」の判断軸が影響します。Amazon社から具体的な順位の決定要素は公言されていませんが、売上個数や、閲覧から購入への転換率といった要素も順位決定に影響するとされています。いくらユーザーの検索意図に十分に沿った商品ページを設計していても、価格設定が高すぎたり、在庫が十分に確保されていなかったりすると上位表示の難易度は格段に高くなります。また、そもそも「ショッピングカートを獲得する」こと自体難しくなってきます。
※「ショッピングカートを獲得する」重要性については後述します。

そのため、Amazon SEOを実施する場合、広告の運用も同時に行うことが推奨されます。広告出稿によって上昇した売上は、Amazon 内の自然検索結果の順位や、カテゴリ別のランキングに影響します。Googleなど一般的な検索エンジンへのSEOの場合、リスティングなどの広告出稿していなくてもSEOの施策のみで上位表示を実現させることができますが、A9の場合、売上や人気度など総合的なブランド力・商品力で順位が決定されるのです。

Amazonにおける「カートの獲得」とは?

ここで、前段落に記述した「ショッピングカートの獲得」について補足を行っておきましょう。楽天やYahoo!ショッピングなどほかのECサイトとAmazonの一番の違いは出品形態です。楽天やYahoo!ショッピングは、店舗単位で商品ページが構成されるため、商品Aに対して出品者A、出品者B、出品者Cのページが個別に存在します。一方、Amazonの場合、 ASIN(エイシン) という商品単位で詳細ページが構成されるため、 同一商品に対して出品者が複数いる場合でも商品ページはひとつしか存在せず、 商品ページ上に大きく表示される「カートに入れる」ボタンはひとつの出品者にしか付与されません。この「カート」ボタンを獲得することを「カートの獲得」と呼びます。カートを獲得することができなかった他の出品者情報は、商品ページの「こちらからもご購入いただけます」欄に小さく表示されるのみとなるため、カートを獲得できていないと購買率が低下してしまいます。

“カートの獲得可否”は、販売価格や在庫状況、ストアの総合的な信頼性など様々な要因により決定されます。すでに出品を行っている商品ページへ向けてAmazon SEOを実施する場合、日頃から最適な価格・サービスで商品を提供し、カートを安定的に獲得できているかどうかあらかじめ確認しておきましょう。

図1:カートの獲得について

(図1:カートの獲得について)

Amazon SEOで重視すべきポイント

Amazon SEOにおいて、キーワード観点から改善を図ることが可能な項目は、①商品名(商品タイトル)②商品仕様(箇条書き)③商品説明④検索キーワードの4点です。このうち、①②③は、商品ページ内のテキスト情報として確認が行えますが、④の検索キーワードは、商品ページ上には表示されない情報です。ただし、A9には検索対象として考慮されます。Webサイトにおける一昔前の“meta keywords”のような扱いと捉えると分かりやすいかもしれません。

各項目には、文字数やバイト数の上限があるため注意が必要です。また、主観的な訴求要素を含めない、特殊文字は使用しないなど細かな規約も存在します。商品が属するカテゴリや出品形態によって規約が異なる場合があるため、必ずベンダーセントラル・セラーセントラルの管理画面から最新のAmazon公式情報を確認しておきましょう。

※ベンダーセントラルとセラーセントラルの違い
Amazonには「ベンダー」「セラー」の2つの販売形態がある。
ベンダー:メーカーが自社商品の在庫をAmazon社に卸し、Amazon社自身が販売する状態。
セラー:Amazon出品業者が自らAmazonを介して商品を販売している状態。
Amazonの倉庫に在庫を預けている場合(FBA:フルフィルメント by Amazonの略)と自社倉庫から直送している場合がある。

なお、③の商品説明についてですが、テキスト情報のみの商品説明だけでなく、画像を多く使用するテンプレートを活用した商品紹介コンテンツ(A+コンテンツ)を利用することもできます。よりユーザーへの訴求力を高めていくためにも、商品紹介コンテンツの使用を検討してみましょう。

図2:A+コンテンツでは上記のように画像や表を用いた訴求が可能となる

(図2:A+コンテンツでは上記のように画像や表を用いた訴求が可能となる)

キーワード以外の観点として、商品画像やレビューの量・質、ブラウズノード(商品のカテゴリ)・リファインメンツ(商品の絞込み条件)の設定が適切に行われているか、容量・サイズ違い商品のバリエーション設定が行えているかの確認も必要です。前述のようにA9は「商品が売れるかどうか」も評価軸としているといわれています。そのため、キーワードやテキスト以外の購入決定要素、比較検討要素も最適化しておく必要があります。

Amazon SEO のキーワードの考え方、Googleへ向けたSEOとの違いは?

Googleなど検索エンジンへ向けたSEOと同様に、Amazon SEOでも「ユーザーが検索する可能性の高いキーワードが適切に含まれているかどうか」が重要です。

例えば、“オレンジ味の炭酸飲料”を対象とする場合、メインのキーワードとして「炭酸飲料」「炭酸ジュース」「炭酸ドリンク」、掛け合わせキーワードとして「オレンジ」「オレンジ味」「オレンジ風味」などが考えられます。また、商品の特徴「500ml」「ペットボトル」「低カロリー」などを含む検索もみられるでしょう。ただ、商品名などに「オレンジ味 みかん風味の炭酸飲料 炭酸ジュース 炭酸ドリンク」などと対策を行いたいキーワードを過剰に挿入していては、ユーザーにとって情報が読みにくいだけでなくAmazonの規約に反してしまう懸念があります。

そこで、こうした複数のキーワードのなかで、どのキーワードがより多く検索される傾向にあるかを考慮しながら対策優先度を検討していきます。Amazon内でキーワードを入力した際に表示されるサジェストや、Amazon内の検索数が取得できる第三者ツール、Google 広告キーワードプランナー(こちらはAmazonではなくGoogleにおける平均検索数が確認可能)を参考に、より検索されやすいキーワードを選定していくことが推奨されます。

キーワード選定の際には、前述のように「Amazonは商品が売れるかどうかを重視する」というポイントを押える必要があります。

Googleへ向けたSEOでは、情報収集系の検索キーワードに対応するコンテンツをWebサイト内で拡充して集客を図っていくことが可能です。前述の例でいえば、「炭酸飲料を使ったおすすめレシピ」や「炭酸飲料の仕組み」などのコンテンツが考えられるでしょう。しかし、こうした情報収集系のキーワードで無理にAmazon SEOの対策を行い、上位表示を目指していくことは推奨されません。あくまで商品との関連性が高く、注文に紐づきやすいキーワードに対して優先的に対策を行っていきましょう。

Summary

以上、Amazon SEOの基本的な考え方についてご紹介してきました。Amazonは、いまやGoogle・Apple・Facebookと並んで「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる成長が著しい4大IT企業のひとつです。製品製造、販売に関係する企業のご担当者にとって、Amazonのサービスを利用するユーザーのマーケットはぜひとも獲得を行いたいところではないでしょうか。

アイレップでは、2018年11月よりAmazonの商品ページのコンサルティングサービスの提供を開始しています。ユーザーの検索意図を捉えたSEOサービスの提供を得意とするアイレップのSEOディレクターが、Amazon SEOのご相談にお応えします。Amazon内に既に出品している企業のご担当者も、これから出品を検討しようとしている企業のご担当者も、まずはお気軽にご相談ください。

執筆者 DIGIFUL編集部

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