介護ビジネス考
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無届け有料老人ホーム問題の背景

千葉県にある無認可の介護施設「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」で虐待があったとして多くのメディアにて取り上げられています。


メディアによって、 介護施設  、 老人ホーム 、 有料老人ホーム と表現が違いますが、今回の舞台となった施設は 市のガイドブックでは 有料老人ホーム と記載していたとのことで、弊社にもご相談やお問い合わせを頂いています。


弊社では、無届けの施設はご紹介していません。ご紹介する施設は、しっかりと届出を出している有料老人ホームのみになります。また、サービスの質が悪かったり問題のある有料老人ホームはご紹介していません。

今回の問題について考えてみました。

メディアでは大きく2つの点にフォーカスしています。

・介護現場において虐待(=身体拘束)が行われていた
・虐待が起きていた施設は無届け施設だった

今回の件をキッカケに今後は

・無届け施設が虐待の温床になっているのではないか?
・(今回の施設では、高齢者だけでなく30代、50代の方もいたとのことで)老人ホームと介護施設の区分が曖昧なこと。有料老人ホームの定義をより厳格にすべき。

といった流れになるのでは と思っています。

ただ、今回の問題の背景には

1.国全体で介護が必要な高齢者・(成人の)障害者の受入施設が不足している
2.介護ということへの理解の低さ(介護は基本的にはボランティアであるという認識)

があるのではと考えます。


1.の受入施設不足に関していえば、昨年国会において議論され決定された法案をみても、国は今後積極的に受入施設を増やしていく姿勢はありません。そもそも予算が足りていないために、介護保険及び医療保険の削減を目的として、療養型病院(老人病院といったほうがイメージしやすいかもしれません)
の削減や介護報酬の見直しが決定され、実施されています。
国としては、保険料がかかる施設から保険料があまりかからない自宅へ切り替えています。

2.介護への理解の低さは、言葉を変えれば介護の重要性についての理解の低さです。それは、介護従事者への社会的評価の低さにも繋がっています。

今回の施設は言語道断ですが、そのような施設であっても 自宅で介護しきれないご家族がいるのも事実なのです。これが高齢社会日本の現実なのだと思います。

私どものサービスをご利用される多くの方が、できれば自宅でいっしょく暮らしたいが、本人と家族の身体・精神的な面の安定を考えた末に、本当の有料老人ホームという新しい生活スタイルを選択するのです。

現在そしてこれからの日本において介護がどれだけ重要かを国民の無関心・無理解により、このような無届け施設の放置や虐待がおきていると考えます。

実はこの介護への理解の低さは、介護従事者の雇用条件などにも影響をしています。

実際に、高齢者の方を介護するホームヘルパーの20歳前後の給与は手取りで12〜13万円程度です。地方に行けば手取りで10万円となります。

これが現実なのです。

私たちは、このような問題を雇用と施設運営の面から改善・解決するためのサポートを行っています。
この問題解決は、正直なかなか理解されにくいのも事実です。しかし、現在の日本、これからの日本を考えると大変重要なことなのです。

2007年02月21日 08:46 | トラックバック (0)

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