介護ビジネス考
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誇りという報酬

先日、とある有料老人ホームの入居相談室の室長とお話していて、この業界に関わる上でとても大切なキーワードを頂戴しました。

「誇りという報酬」

その室長は、もともとA有料老人ホームの介護スタッフとして入社し、最初の1〜2年は多くの壁とぶつかりながらも、入居者様の表情で励まされながら乗り越えられてきたそうです。

室長もおっしゃっていたのですが、

「正直、介護業界は儲からない!そしてスタッフの給与は最低限すぎる」
(ちなみに、介護スタッフの1〜2年目の月額の手取りはほぼ 20万円以下は確実)

なのにも関わらず、なぜこの仕事をしているか?

「スタッフそれぞれによって違うとは思いますが、金銭だけではなく入居者様の人生を支えさせて頂くことで、得ることのできる報酬がある」と

たとえば、3年入居していた方の最後の看取りは家族以上のつながりと感謝そして想いを持って受け止め、勤務時間外でもそばに付き添い、葬儀ではご家族以上に涙を流す。(ご家族を批判していたりするのではなく)その経験を通して、スタッフは自らと入居者との関係性を再度考え、日々の仕事に向かっているのです。

プロとしてお金を頂戴しているサービスですので、しっかりと 馴れ合いのないサポートを行っていますが、そのなかで生まれる関係性に自分の存在・社会における必要性を感じているそうです。


そのお話を伺って、よりこの業界のサポートをしっかりせねば!と感じています。
実際のところ、「誇りという報酬」では食べていける世界ではなく、金銭以外での報酬で満足するスタッフもそう多くないのが現状です。

ただし、「金銭での適正な報酬」と「誇りという報酬」のバランスを持った業界構造を早急に作らないといけない状況に日本は追い込まれています。

今、私たちはなにができるのか?なにをするべきなのか?

しっかりと、本当の「社会」と「社会と自分の関係」を考え・受け止めそして行動に移していく必要があると再度強く思った言葉と出会いました。

2006年04月27日 20:03 | トラックバック (0)

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