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企業の再生を事業の中心に据える投資会社の日本アジアホールディングス(JAH社)が「そよ風」ブランドの介護施設を全国115拠点(直営、FC、グループ2005年8月1日現在)で展開しているメデカジャパン社の総額50億円の第三者割当増資を引き受けたそうです。
う?ん、どう思いますか?この金額 大きいと思いますか? それとも、小さいと思いますか?
今回の資本提携と業務提携による具体的な内容として4つをあげています。
1)当社の財務体質強化と資本政策の構築支援
2)プロパティ・マネージメント戦略の導入と介護施設拡大のための協働
3)JAH社傘下のファイナンシャル・サービス事業部門との協働により当社顧客、見込みの顧客の財産形成や資産管理に関わる支援を行う
4)アジア地域での医療・介護事業への進出
要は、財務体質を強化して積極展開にさらにドライブをかける!ということですね。
さて、金額が大きいかどうかですが、規模によりますが有料老人ホームを自費で土地取得と建設を賄うとしたら相当の資金が必要となります。なので、もちろん一般的には大きく、通常の1棟を建設する資金の借入額よりはだいぶ大きな金額ですが、今後のマーケットの拡がりを考えれば妥当な金額だと私自身は受け止めています。
最近は、有料老人ホームマーケットでの展開企業の運営ノウハウや事業拡大(成長)スピードの加速により競争が激化し、魅力的な地域への進出には他社よりも早く動かなくてはいけなくなりました。しかし、有料老人ホームのビジネスモデルの特性上ペイバックが通常のマンションよりも遠くなってしまう場合が多いので、速いスピードでの展開には資本力が重要になります。
私の視点からすると、今後有料老人ホームの世界でも「勝ち組、負け組み」がうまれてくると思います。勝ち組と負け組みの勝敗を決める大きな要素のひとつに資本力があると思います。
業界のみなさんが戦々恐々としているワタミさんの進出もそのひとつの事例ですね。
先日、ワタミが買収したアールの介護社の副社長の片山さんのお話を伺いましたが、ワタミとしては今後全国に1000ヶ所の施設展開を行っていくことをうたっています。今回の買収金額が最終的には約100億規模だったとも言われています。
ワタミの財務体質やマーケットからの信用度を考えれば、今後1000ヶ所の展開の資本需要も対応できるのだろうと思います。もちろん、最近業界で流行っているファイナンスのテクニックもフルに使われると思いますが。
また、資本力を持ってこのマーケットで加速度を持って展開していく企業のひとつにセコムがあります。
セコムは今までも、高級な有料老人ホームを森ビルと共同で運営してきましたが、これから独自で「セコムフォート」というブランドで、横浜、神戸に2006年、2009年と開設されるそうです。神戸の総工費が60億、横浜が40億だそうです。
また、安全というブランドと富裕層の顧客リストという貯金があるのも大きな武器となるでしょう。
大前提としての、大規模展開が可能な資本力は業界においては今後、より脅威としてみられるでしょう。その他には、トヨタや松下もすでに参入してきていますね。あと、大手商社も顔がそろいましたし。
今後の大きな資本力を持って参入してくる企業や提携していく企業の動きは要注意です!!
もちろん、勝ち組=規模が大きいということではありません。
大事なことは堅実は経営基盤を構築・維持しながら入居者から高い満足度を得ながら継続的な事業を行っていくことですから、ソフトへの投資・開発もポイントですよ。
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