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第3章-2  Needs Met評価の補足説明 解説版

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平成29年6月21日
株式会社アイレップ

■ 本項の概要

ユーザーが検索するときに利用する「クエリ(検索キーワード)」から読み取れる意図は、1つとは限りません。また、所在地情報や情報の鮮度を重視したほうがいいクエリもあれば、それらを考慮しないほうがいいクエリもあります。

本稿では、そうした意図の解釈が難しいクエリの類型を提示し、適切な解釈法を説明しています。

主な内容は以下の通りです。

1:特定要因のフラグ立て (109~119ページ)

「ポルノ」「外国語」など、ユーザーにとっての価値を低める要因のフラグ立てについて解説しています。

2:E-A-TとNeeds Met評価の関係(119~120ページ)

「ページの品質・信頼性」を表すE-A-T評価と、「ユーザーニーズとの関連性」を表すNeeds Met評価との関係を示しています。

3:意図の解釈が複雑なクエリの評価(121~137ページ)

「iPhone」のように複数の解釈・意図があるクエリ※の解釈や、所在地情報、情報の鮮度などを考慮した方が良いかという点など、複雑な解釈が必要なクエリの類型と対処法を示しています。
(※「iPhoneについて調べる」「iPhoneを買う」「Apple公式サイトのiPhoneのページに行く」などが考えられる)

■ 本項の要点

① E-A-TとNeeds Met評価の関係

コンテンツが高い評価を受けるためには、「ページの品質・信頼性」を表すE-A-T評価と、「ユーザーニーズとの関連性」を表すNeeds Met評価の双方で高い評価を受けなければなりません。

いわば、2つの評価は自転車の両輪のようなものです。

図1

どんなに信頼できる高品質なコンテンツでも、ユーザーの需要から離れていては意味がありません。
皆さんが目にしている当社の公式サイトは「アイレップ」に関するE-A-Tでは最高のWebサイトだと自負しています。しかし、「赤坂 うどん」で検索したときに当社のサイトが上位表示されたら、皆さんは違和感を抱くでしょう。

この場合、ユーザーには「赤阪でうどんを食べる」という意図があり、当社の公式サイトでは、そうした意図に対応することはできません。Google もその点をNeeds Met評価に反映し、“「赤坂 うどん」で検索している人にはふさわしくない“という評価をします。
―“役に立たない検索結果は、E-A-T評価が高くてもFailsM評価です。役に立たないものは役に立ちません。”(119ページ)

また逆も同じで、どんなにユーザーの需要に合致していても、信頼できないコンテンツであれば評価は下がります。

当社公式サイトの内容を完全にコピーして、適当なドメインに載せ替えただけのWebサイトを作ったとしましょう。「アイレップ」で検索したときに、ユーザーに表示するべきWebサイトは一体どちらでしょう?

公式サイトもコピーサイトも中身は同じ。しかし、信頼性では公式サイトが大きく勝ります。ユーザーに対しても信頼性の高いものを表示したほうが良いため、信頼性の低いコピーサイトの評価は低下します。
―“「トピックに合致し、役にも立つがE-A-T評価が低い」検索結果には、「トピックに合致し、役にも立つしE-A-T評価も高い」検索結果よりも低いNeeds Met評価を付けてください。ユーザーはE-A-Tの低い検索結果よりは高いものの方が役に立つと思うはずですし、Needs Met評価が「有用性に影響する全ての要素」を反映するものである以上、皆さんのE-A-T評価にもその点が反映されているべきです。” (119ページ)

自分のコンテンツの順位が思わしくない場合、その原因が「ページの品質・信頼性」にあるのか、それとも「ユーザーニーズとの関連性」にあるのかを考えると、問題点や改善案が見えてくることがあります。

② 解釈・意図が複雑なクエリの評価

例として、「うどん」というクエリを考えてみましょう。

このクエリには「うどんを作りたい」「うどん屋さんを探したい」「歴史・豆知識を知りたい」など、複数の意図が考えられます。所在地も重要になることがあります。「うどん屋さんを探したい」場合、現在地から遠く離れたうどん屋よりも、近所のうどん屋のほうが役立つでしょう。そして、情報の鮮度も必要になることがあります。「最近人気のあるうどん屋さん」「新製品」「イベント」などは、アンテナの高いユーザーには欠かせません。

Google の検索結果は、それらの多様な意図の中でも最大公約数的なものを種々表示することで、できるだけ多くのユーザーに対して価値を提供しようとしています。

図2

ちなみに下から3番目のお店は「うどん屋さん」ではなく、「“うどん”という名前の、おいしいカレー屋さん」です。こうした点からも、Google の多様性が感じられますね。

「転職」「通販」「アパート」など、俗に「ビッグキーワード」と言われるクエリほど、ユーザーの意図は多様になりがちです。また、ヴェニスアップデートの影響により、地域性が考慮対象になるクエリも増加しています。特定のキーワード市場を考えるときに「このキーワードでは、どんな意図が考えられるか」「自分のWebサイトは、どのような意図を持つユーザーのためのものか」「Google も他のWebサイトも気づいていない、隠れた意図はないか」という点を意識しましょう。

ユーザーの意図と向き合い、それを充足する。そして時にはユーザーも意図していないような、斬新かつ有用なコンテンツを提供する。そうしたWebサイトの取組みを最大限に評価するため、Google は綿密な意図分析を行っているわけです。

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