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第3章-1  Needs Met評価の評価基準と事例 解説版

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平成29年6月20日
株式会社アイレップ

■ 本項の概要

ユーザーが検索するときに利用する「クエリ(検索キーワード)」やユーザーの所在地情報からは、さまざまな意図を汲み取ることができます。そして、検索エンジンは検索結果上に、できる限りユーザーの意図に沿った情報を表示しないと、他の検索エンジンとの競争に勝つことはできません。

本項では、Google がユーザーの意図をどのように判断し、どのような検索結果がそれを満たすものと考えているか、という点が多くの事例とともに紹介されています。

主な内容は以下の通りです。

1:基礎知識 (76~78ページ)

Needs Met評価の概要や、検索結果画面上で情報を表示するSCRB(Special Content Result Block)の解説など、評価に必要な基礎知識を解説しています。

2:5段階の評価基準と事例(79~109ページ)

Needs Met評価では、検索結果をFully Meets(完璧で、他の検索結果は必要ないレベル)からFails to Meet(まったく役に立たないレベル)の5段階で評価します。このセクションでは、各段階の基準や評価例が掲載されています。

■ 本項の要点

5段階評価の基準を熟知することで、
「このキーワードに対して、自分のWebサイトでどの程度の評価までなら狙えるか」
「競合相手のページは、どのような点を評価されて上位にいるのか」
など、キーワード市場での戦術立案に役立てることができます。

各評価の内容を、Web担当者の視点から整理しました。

1:Fully Meets

ユーザーが「たった1つのページ・情報を求めている」ことが明確な場合に適用される、特別な評価です。
この評価が適用されるのは、以下の2パターンのいずれかに限られます。

① 指名検索
「アイレップ 公式サイト」「ヤフー ニュース 野球」などのように、ユーザーが行きたいページが明確な場合です。Fully Meets評価での流入を増加させるためには「指名検索数を増やす=Webサイト・ブランドの認知を向上し、再利用してもらう」必要があります。

② SCRB
「オバマ 年齢」「天気」などで表示される、検索結果上の特殊枠です。

例1

例2

SCRBと同じコンテンツしかないWebページが、SCRBより高い順位に掲載されることは極めて困難です。SCRBには「ユーザーがクリック、あるいは読み込みをする必要がない」という、大きな利点があるためです。

そうした考え方が顕著に表れているのが136ページの「カンザス州の最低賃金」の例です。この例では一次情報源であり、EATも高い「カンザス州公式サイト内の、最低賃金に関するページ」よりも「SCRB」を高く評価しています。

例3

自分の狙うキーワード市場にSCRBという強力な競合が存在する場合、差別化・撤退などの対処法を考える必要があります。

2:Highly Meets

ビッグキーワード~ロングテールキーワードの大半では、ユーザーが「たった1つのページ・情報を求めている」ということはないため、Fully Meets評価が存在することはありません。

Highly Meets評価は実質的な最高評価であり、この評価を獲得できるようにページ・Webサイトを最適化することがWebサイト担当者の重要な役割です。

そのためには、以下のポイントを抑える必要があります。

  • コンテンツが高品質……役に立つ、面白い
  • EATの充実……安心して利用できる
  • 新鮮な情報……ニュースメディア等なら必須だが、ページの性質によって重要性は異なる

また、Needs Met評価は「あるキーワードとページの合致」を見る評価です。
従って、「どのキーワードに注力すべきか」という戦略も重要になります。

3:Moderately Meets・Slightly Meets・Fails to Meet

このセクションの内容を理解することで、「なぜこのページは順位が上がらないのか」分析することができます。
検索順位が低い場合、大きく分けて以下の原因が考えられます。

  • ページの品質が低い
  • キーワードの意図に合っていない
  • Google がページをうまく認識できていない(技術的な問題)

例えば96ページの「Shutterfly」という例を考えてみましょう。Shutterflyは、「ユーザーがアップロードした写真をグッズ化する」というBtoCのサービスです。

この例で取り上げられているCrunchbaseのページは、Shutterfly社への投資状況・関連ニュースなどをしっかりとまとめた有益な情報ページです。しかし、このページへの評価はMM(5点満点中3点)であり、「Shutterfly」で検索してもGoogle 検索のトップ10には表示されません(2017年9月時点)。

これは「キーワードの意図」の問題です。「Shutterfly」で検索するユーザーの一部はCrunchbaseに掲載されているような投資家・ビジネスマン向けの情報を求めているかもしれません。しかし、大半のユーザーは「Shutterflyに投資したい・企業情報を知りたい」のではなく、「Shutterflyの使い方・使い道を知りたい」はずです。実際に、「Shutterfly」の検索結果トップ10にはShutterflyで使えるクーポンShutterflyアプリなどが掲載されています。

このようにして順位が上がらない原因を見極め、そのうえで「このキーワードで戦うための手を打つ」のか「キーワードを見直す」のかを判断しましょう。

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