2019.11.11

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コラム

Instagram CREATIVE HACK 広告主と共創するクリエイティブ

コラムはアイレップが運営するWebメディア「DIGIFUL(デジフル)」からご覧いただけます。

テキスト広告やバナー広告中心に扱ってきたアイレップが、近年はSNS上でのマーケティングも力を注いでいます。2019年4月にはInstagramにおける広告クリエイティブに特化したワークショップ 「IREP IG CREATIVE HACK」をスタートしました。InstagramをはじめとしたSNSマーケティングに力を入れる理由や、ワークショップの特徴などについて、アイレップ メディアデザインUnitメディアデザインDivisionの丸山沙織と、コミュニケーションデザインUnitインタラクティブデザインDivisionの清水万由奈に聞きました。

本記事は博報堂DYグループの「“生活者データ・ドリブン”マーケティング通信」より転載しました。
https://seikatsusha-ddm.com/

Instagramマーケティングにおける
クリエイティブの重要性

丸山:弊社はWebのサーチからスタートしたのですが、近年はSNS利用者の増加により、サーチでは捉えられない生活者の行動が増えてきました。それに伴って、従来のサーチに加えて、SNSプラットフォームを活用したマーケティングにも注力するようになりました。

昨今は特にInstagramでのマーケティングを強化しています。Instagramは、2010年にサービスローンチしてからコミュニティが拡大し続けており、2016年には「ストーリーズ」機能をリリースして更に人気を高めました。ストーリーズでの投稿は24時間で消えるため、ユーザーが投稿をするハードルが下がります。この機能によって、閲覧のみではなく投稿もするアクティブなユーザーの数が大きく増えました。また、日本のユーザーは、気になる商品やサービスを検索エンジンではなく、Instagram内でハッシュタグで検索するという行動が特徴です。ハッシュタグ検索し、関連して使われている別のハッシュタグをクリックする、といった具合に、能動的に情報を取るユーザーが増えていますね。

清水:この「ユーザーに能動的に情報を取りに行く人が多い」という点は、広告のクリエイティブに活きると思っています。流行しているハッシュタグを参考に、広告クリエイティブを検討することもできます。Instagramに向いている商品カテゴリーは、これまでファッションやコスメというイメージがありましたが、近年では、実は業種を選ばず広告効果が期待出来ます。「広告を見たユーザーの82%が、それをきっかけに何らかの行動をした」というデータも出ています。ただクリエイティブの作り方は、TwitterやYouTubeとは全く違うノウハウが必要です。

丸山:Instagramは、Facebookと同様にターゲティングの精度が高いという特徴があります。つまり、ターゲティングの精度が高い分、広告を見た方が、「これは私向きに作られたものだ」と実感してもらえるクリエイティブでなければいけません。
商材によっては、ターゲットごとにクリエイティブを出し分ける必要もあります。
あるフィンテック系サービスの広告では、ファネルごとにクリエイティブを出し分けた結果、大きな成果を得たケースがありました。「認知」を上げるためには、CM動画のような広く訴えるものを、すでにCMを見た比較検討のファネルには、アプリの中身を見せたり、商材を理解してもらうための内容にしたりしました。その比較検討の動画を見た人や企業サイトに来訪した購買のファネルには、アプリのインストールや口座開設を促すために、導入へのステップやサービスのメリットを強調したクリエイティブを作りました。

このように、精度の高いターゲティングと、ターゲットのニーズに合った広告クリエイティブの組み合わせによって、効果的なInstagramマーケティングを行うことができます。

メディアプランナー丸山沙織

(メディアプランナー丸山沙織)

「ストーリーズ」で親指を止めるクリエイティブ

丸山:現在、注力しているのはやはり「Instagramストーリーズ」です。ストーリーズは、スマートフォンの全画面に表示されるため、没入感があるクリエイティブが作れますし、インパクトも出せます。ただ、機能の特性上、コンテンツの消費スピードが早く、最後まで見てもらえることが非常に難しいため、動画の構成には配慮しなければなりません。再生開始から再生開始から3秒程度で見るのを辞めてしまう人が多く、最後まで見切る人はほとんどいないんです。

清水:表現の方法も、ストーリーズが登場したことで潮流が変わってきています。これまでは、通常投稿がメインで、作りこまれた美しい写真を投稿する傾向にありましたが、昨今は、 気軽に撮影し、気軽に投稿する、という形が主流になりました。それによってユーザーのライフスタイルのなかに、よりInstagramが馴染み、同時にユーザーも多様化しました。広告 クリエイティブについても、ユーザーのライフスタイルに合った商品・サービスであるとすぐに認識してもらうことが必要になっています。最初に伝えたいことを表示して、いかに親指を止めてもらうかが重要です。

丸山:動画の最初の2〜3秒で関心を持ってもらうことがマストになった一方で、ユーザーが「自分にメリットがある、自分向きの商品・サービスだ」と感じてもらえれば、広告的要素が強い内容でも指を止めてくれるようになりました。自分にとって有益な内容であれば、友人やインスタグラマーの投稿と同じように閲覧してくれるのが近年のInstagramユーザーの特徴とも言えるかもしれません。

プランナー清水万由奈

(プランナー清水万由奈)

5時間で動画のモックアップまで作りきる
共創型クリエイティブワークショップ「IREP IG CREATIVE HACK」

丸山:これまでお話してきたように、Instagramマーケティングが、デジタルマーケティングにおいて重要になってきた今日、より効果的なクリエイティブを制作する需要が高まっています。そうしたニーズにこたえるため、アイレップでは2019年4月に、「IREP IG CREATIVE HACK」というクライアント共創型のワークショッププログラムを開始しました。本ワークショップは、5時間程のプログラムになっており、クライアントと一緒にクリエイティブのアイデアを検討し、その日のうちに、動画広告のモックアップまで制作する、という内容になっています。ご要望次第では、配信する完成品まで作り切ることも可能です。

IREP IG CREATIVE HACK

(IREP IG CREATIVE HACK)

清水:ワークショップに参加するメンバーは、動画作成に必要なスタッフを網羅的にアサインしています。営業、広告運用、クリエイティブ、インタラクティブデザイン、メディアデザインなどです。私はインタラクティブデザインという部署に所属しています。クリエイティブとインタラクティブデザインの違いは、クリエイティブは購買に繋げるためのダイレクト寄りの視点でスキーム構築やLP・バナー制作を担当し、インタラクティブデザインは認知やブランディングなどに寄ったクリエイティブ制作を担っています。 通常の広告制作業務では、これらの二つのの部門が一つの広告制作を一緒に行う機会が少ないため、ワークショップで二つの得意分野を生かしたご提案をできるのは、貴重な場になっています。

丸山:私が所属しているメディアデザインUnitでは、常にメディアと向き合っていますので、最新動向を把握しています。いずれのメンバーも、日々の業務でInstagramに関わるプロジェクトに従事しており、媒体の特性などを熟知しています。

清水:ワークショップの流れとしましては、最初にクライアントから、広告されたい商品、サービスや広告の目的などをブリーフィングしていただきます。次に弊社から、お互いの認識を揃えるためにInstagramの媒体特性や機能、広告の種類などの情報をお伝えし、Facebook社が公開しているInstagram向けのクリエイティブメソッドについてもご説明します。

その後は、弊社スタッフ、クライアント参加者全員でクリエイティブブレストを行います。サービスについてのヒアリングをしたり、アイデアを出し合ったりします。特徴が見えてきたら、コピーライターがその場でコピーを書いたり、ストーリーズの動画の構成を検討したり、といった具体的な内容を決めていきます。その日のうちに我々が動画編集を進め、モックアップをお見せする、といった流れです。さらに編集する必要が生じたら、後日ご納品になります。

メディアプランナー丸山沙織

共創型クリエイティブワークショップのメリット

丸山:クライアントとクリエイティブを共創するメリットは、やはり「スピード感」です。アイデアや完成形を共有しながら進められるので、通常の制作進行とは圧倒的に違いますね。Instagramストーリーズは、ユーザーの閲覧頻度が高く、クリエイティブの消耗が早いので、頻繁に入れ替えなくてはなりません。そのため、広告制作のスピードは非常に重要となります。ワークショップでは、一度に作りきれないくらいの多くのアイデアが出るため、そのアイデアを今後のクリエイティブ制作に生かすことが出来るので、ワークショップにご参加いただいた後は、そのアイデアを基に動画のPDCAを回すことが出来ます。

また、広告の効果が出ないのはクリエイティブだけの問題ではないケースがあります。例えば、配信スケジュールだったり、同じ動画を使い続け過ぎてしまったり、といった具合です。ワークショップには、広告運用メンバーもいるので、そういった問題も解決出来ます。ワークショップの前にいただいた情報から、あらかじめ問題点の洗い出しを行っているので、「5時間のうちにいろいろ解決しないと」と焦らず、ご参加いただけます。

清水:本ワークショップは、1回完結でモックアップまでの制作を行いますので、継続的に何度もご参加いただかなくてはならない形ではございません。InstagramやInstagramの広告クリエイティブについての認識を合わせることができ、アイデアブレストをご一緒することによってその後の弊社との広告制作もよりスムーズに進行する、というメリットもございますので、Instagram広告を始めたい企業の方、広告効果に少し行き詰まりを感じていらっしゃる企業の皆様には、まずは一度ご参加されることをおすすめしたいです。

―お二人は11月にアドテックにご登壇されますよね。登壇セッションの概要を簡単に教えていただけますか。

清水:私は「U30が語る、これからのマーケティング」というパネルディスカッションに参加します。大枠としては、令和時代のマーケティングを討論しましょう、といった内容です。広告主や広告会社、ツールベンダーなど様々な立場の方が参加されます。私はプロトタイピング型の動画制作や、クリエティブワークショップのお話をさせていただこうと思っています。

丸山:私は「代理店へ丸投げはダメ絶対。チームワークでパフォーマンスを向上する」というセッションに参加します。私もクリエティブワークショップを例に、チームワークでパフォーマンスを向上するコツをお話出来たらと思っています。

執筆者 DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

当社がこれまでに得たデータや経験から、具体的事例・将来展望・業界の最新注目ニュースなどについて情報を発信しています。ニュースやコラムだけでなく、日常業務や将来のマーケティング施策を考えるときに役立つダウンロード資料や、動画で学べるウェビナーコンテンツも随時追加していきます。

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