2019.02.21

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獲得に効く! Instagram広告でコンバージョンをあげるために

コラムはアイレップが運営するWebメディア「DIGIFUL(デジフル)」からご覧いただけます。

Instagramは、2018年11月に日本国内の月間アクティブアカウント数が2,900万を突破したことを発表した。企業のマーケティング領域において、Instagramは、大幅にユーザー数の拡大を続け、ブランド・商品イメージを伝えやすい特性から重要度が日を追うごとに高まっている。
Instagramを運用していく上で、戦略的にキャンペーンを活用し、多種多様なInstagram広告の特性を生かした運用設計をすることが求められ、常に共感を生み出しやすいコンテンツの立案、投稿するクリエイティブメッセージの一貫性と最適なコミュニケーションプランの設計が重要である。こうした背景から、当社は、2019年2月14日に「2019年 最新Instagramプランニング&クリエイティブセミナー」を開催した。
今回、セミナーにも登壇したInstagram広告のサービスプランナーとして活躍する、メディアマネジメント本部 メディアセールス局 第2メディアセールス部 サービスプランナー 丸山 沙織に話を伺った。

Q.はじめに、ソーシャルメディアとしてのInstagramの特徴を教えてください。

丸山:TwitterやFacebookなど他の主要SNSと比べて画像や動画の表示面積が大きく、ビジュアル重視のコミュニケーションになるメディアです。またコミュニティの成長率も著しく、企業のマーケティングには欠かせない存在になっていると思います。

Q.ユーザー数が増えた要因を教えてください。

丸山:Instagramは2010年のサービスローンチ以降急激な成長を遂げており、2018年11月時点で月間アクティブアカウント数は2,900万に達しました。

この様な急成長の要因には、2016年にローンチされた「Instagram Stories」の存在が大きくあると思います。

Q.「Instagram Stories」とは何でしょうか。

丸山:「Instagram Stories」はInstagramのアプリを起動した後のトップ画面上部に、丸いアイコンとして並びます。このアイコンをタップすると拡大して全画面表示されます。(下記画像参照)

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投稿は24時間で消えてしまうのが特徴で、写真や動画、ライブ動画などの投稿が出来ます。

Q.投稿後24時間で消える特徴によって、どのような変化があったのでしょうか。

丸山:気軽に、飾らない投稿をする環境ができ上がったと思います。これまでのInstagramは、「インスタ映え」という言葉もあるように綺麗に作りこまれた投稿が多く、誰もが気軽に投稿できる環境ではありませんでしたが、「Instagram Stories」のローンチ後、ユーザーの投稿ハードルは下がり投稿数が増え、アクティブユーザー数の伸びに貢献したと考えます。

実際に日本の「Instagram Stories」投稿数は、2016年のローンチから2年で20倍になっているとFacebook社は公表しています。

Q.ユーザーにとって投稿が24時間で消えるというのは一つの魅力なのですね。Instagramの成長を牽引している「Instagram Stories」ですが、その他にも何かユーザーにとってメリットや魅力はありそうですか?

丸山:そうですね。「Instagram Stories」は投稿が残らないので、こだわる必要がなく、ユーザーはその場で撮影した動画や写真をリアルタイムでたくさん投稿します。私のタイムラインでも、Instagramを起動するたびに友人や企業・有名人などの「Instagram Stories」投稿が常に更新されているので見ていて楽しいです。

他の魅力も、もちろんあると思います。「Instagram Stories」では、観た投稿に対して、スタンプやメッセージを送ったり、アンケートに回答したりというアクションがワンタップで出来るようになっています。少し距離の遠い知人、有名人や企業にも気軽にコミュニケーションをとることが出来る環境になっています。「Instagram Stories」はその気軽さから、メールやLINEよりもコミュニケーションのハードルをぐっと下げて、人と人を近づける力を持っていると思います。

このようにアクティブユーザー数の伸びが著しいInstagramですが、利用しているユーザーの特徴として、投稿を閲覧しているだけでなく、行動に移す“アクティブ”な傾向にあるという点が挙げられます。

Q.行動に移す“アクティブ”な傾向というと具体的には、どのようなことなのでしょうか。

丸山:Instagramユーザーの約82%が、誰かの投稿をきっかけに行動を起こしたことがあるというデータがFacebookより発表されています。またそのデータによると43%のユーザーがブランドサイトやECサイトで実際に購入しているそうです。「Instagram Stories」だけで切り取っても、50%のユーザーが「Instagram Stories」を見た後にオンラインで購入、31%のユーザーは実際に店舗に訪れて購入しています。

「Instagram Stories」はブランディング向きだと捉えられがちですが、購入者を獲得するようなプロモーションの実施も可能だと言えます。

この様にInstagramは行動に移すアクティブなユーザーが多く、企業のデジタルマーケティングにおいて欠かせない存在となっていると言えます。

Q.「Instagram Stories」の特徴をお聞きしましたが、「Instagram Stories広告」の特徴は何でしょうか。

丸山:スマホ画面において縦のフルスクリーンで画像や動画を表示させることが可能で、従来の広告以上にユーザーへ没入感とインパクトを与えられるのが強みだと思います。通常のフィードに表示されるInstagram広告では、1:1や16:9サイズのクリエイティブが主流であり、全画面サイズの縦長クリエイティブの配信は出来ない仕様になっています。さらに「Instagram Stories広告」は外部Webサイトへの誘導が可能です。画面下部にユーザーを、特定のWebサイトに導き購買などを促す(Call To Action 以下、CTA)ボタンが表示されるので、スワイプアップすることでWebサイトに遷移することが出来ます。ただ「Instagram Stories」のCTAボタンは表示場所やデザインの関係上、ユーザーには気づかれにくいので、広告クリエイティブを作る際はこのポイントを強調するデザインを作ることが重要ですね。

Q.CTAボタンを強調する事以外にも広告で、成果を出すために、より効果的なアクションを促すために必要なポイント(クリエイティブティップス 以下、TIPs)などはありますか。

丸山: はい。まず広告においてはフィードで活用しているクリエイティブをそのまま「Instagram Stories」に配信するよりも、「Instagram Stories」には専用のクリエイティブを用意し、配信面に応じて変化をつけることが成果改善の1つのポイントになります。

その上で「Instagram Stories」のクリエイティブを作るときに考えるべき基本的な要素はFacebook社からも公表されていますが、以下4点がございます。

  1. シンプルで具体的な「ワン・メッセージ」
  2. ベネフィットの明示
  3. メッセージとビジュアルの一貫性
  4. 動線の強化

以上のポイントに加え、「Instagram Stories」の配信面になじませるために絵文字やハッシュタグを使う事も推奨されています。

Q.「Instagram Stories」を活用して、成果につながる、または改善された事例は何かありますか。

丸山:はい。2つ事例があります。 1つ目は、美容系・エステ系の案件です。

ターゲットは10代~30代くらいまでの女性で、商品単価が数十万円する商材をお持ちのクライアント様でした。Feed用クリエイティブをそのまま「Instagram Stories」に配信するのではなく、CTA強調を加えた専用の縦長クリエイティブをアイレップが制作し配信した結果、コンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(以下、CPA)が改善され、クライアント様の目標CPAを達成する結果となりました。

2つ目は、人材紹介の案件です。
同じ縦型クリエイティブでも、「Instagram Storiesカルーセル広告」というフォーマットを活用しました。 「Instagram Storiesカルーセル広告」は、一度に3枚の画像、または動画を投稿することができます。ユーザーが1枚目のクリエイティブをタップして次の投稿に行く動作をしても、2枚目のカルーセル・3枚目のカルーセルが表示されるので、通常の「Instagram Stories」よりもユーザーとの接点を多く持つことが出来ます。

本件の事例では、この「Instagram Storiesカルーセル広告」を活用して「AorB、あなたはどっち?」という選択式のクリエイティブを作りました。ユーザーがクリエイティブをタップすることでカルーセル間を移動し、行ったり来たりできる遊び心のある構成にしました。さらに、CTA強調や絵文字など、「Instagram Stories」クリエイティブのTIPsをちりばめました。 その結果、CPAが約120%の改善につながりました。

最後にもう一つ具体的な事例として、Facebookのビジネスページにも掲載された案件をご紹介させてください。

結婚相談所の株式会社ツヴァイ様にて「Instagram Storiesカルーセル広告」を活用した配信を行いました。フォーマットごとの成果比較をするために、①既存の「Instagram Stories」動画 ②「Instagram Storiesカルーセル広告」を並走させました。

人材の事例と同じように「あなたはどっち?」と選ばせる構成のクリエイティブをトライしクリック率(CTR)160%向上、広告に対する1クリックに要した 広告費用(CPC)の制御に成功しました。

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Q.最後の質問となりますが、Instagram広告のスペシャリストとして、Instagramの広告を行う上で、伝えておきたいことはありますか。

丸山:一言で、お伝えすると、 「購買者の獲得を促すなら、縦型の広告動画をInstagram Storiesで配信すべき」 ということですね。

また、Instagramのコミュニティの急激な成長に伴い、Instagramを本気でマーケティングに活用する企業が増えています。そんな背景を受けアイレップでは、クライアント様と一緒に、半日かけてクリエイティブについて考え、その日のうちに制作まで行う「IREP CREATIVE WORKSHOP」の実施も行っています。Instagramをデジタルマーケティング施策の一つとして本腰を入れて取り組む企業様にはぜひご活用いただきたく存じます。

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縦型の広告動画をInstagram Storiesで配信すべきポイント3つのおさらい

  1. コミュニティの成長率が著しく、また誰かの行動を見た後に行動を起こす”アクティブ”なユーザーが多いので、ブランディングだけでなく、獲得プロモーションにも活用できること
  2. CTAボタンが実装されており、外部サイトにユーザーを誘導できること
  3. 縦長のフルスクリーンで動画を表示させることが可能で、従来の広告以上にユーザーへ没入感とインパクトを与えられること

この3つを網羅しているメディアは「Instagram Stories」しかないと考えており、企業のデジタルマーケティングには「Instagram Stories広告」の導入を推奨しております。

執筆者 DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

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