フルファネル動画戦略セミナー ~検索を生む動画広告とは~

2020.06.25

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動画広告の傾向・開催背景

1月29日(火) に、株式会社アイレップにて、「最新フルファネル動画戦略セミナー」が開催された。セミナーには、当社を含め、Google 合同会社、デル株式会社、三井住友カード株式会社の四社が登壇した。近年、生活者がPC、スマートフォンで動画に触れる機会が増え、メディアへの接触が増えた。生活者デジタルデバイスへのシフト、TVからスマートフォンへのシフトしたことが大きな要因の一つだ。デジタルが目まぐるしく変化していく中、企業にとって、動画をいかに活用し、ブランディング、PRに留まらず、最終的なコンバージョンに寄与させるかが課題である。広く集客したうえで、ふるいにかけられた見込み顧客が、検討・商談、そして成約へ流れる中で段々と少数になっていく中、いかに獲得に寄与させるかが、動画広告における重要な鍵となる。
第1部の「最新Full-funnel 動画ソリューション」では、講演者にグーグル社の真浦玲氏を迎え、ブランドリフトによる態度変容からユーザーの行動変容に結びつける動画 KPI の考え方、目的に応じた最新の Full-funnel Video ソリューション、TrueView アクションを活用したキャンペーン設計とレビューについて語った。

本レポートは、セミナー内容の一部を紹介する。

セミナー 第2部
”獲得につながる認知”を捉えるアイレップの動画広告配信手法 「パルス配信」のご紹介

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(講演:アイレップ メディアマネジメント本部 メディアセールス局 松井豪司)

冒頭に松井氏は、動画広告のKPIについて、クライアント企業が評価指標を計るため、クリックスルー、接触確率調査、ビュースルー等の様々な努力を講じている点にふれた。一方で、複数のデバイスを所有するようになった近年、指標を設定して、あらゆるプラットフォームを駆使しても、購買などのコンバージョンに至る過程で、ユーザーが所有しているデバイスを途中で変更し、購買まで至ったケースなどを考慮に入れると、真に売り上げに貢献するコンバージョンを測定することは難しいとの見解を示した。

こうした見解を踏まえ、アイレップで推奨している動画プランニング手法の「パルス配信」について解説を開始した。松井氏によると、「ユーザーの情報行動が変化している」という。一昔前は徐々にニーズを増やしコンバージョンさせる手法が、一般的であったが、近年、瞬間的にニーズを増加させ成果を上げる、いわゆる「パルス消費」というものが主流になってきているという。消費者が検討するフェーズが1週間、1日と短くなってきており、「タイミング」を捉えて、より獲得につながる動画広告を行うことが重要になっている。

膨大な情報量がメディアに飛び交う昨今、情報の価値も変化し、情報は「大切」なものという存在から「煩わしい」ものへと変化していった。企業にとってこの膨大な情報の中から、瞬間的にユーザーに自社の情報を選択してもらうことにおいて「パルス配信」は有効な手法となってくる。パルス配信とは、ユーザーがもっとも行動変容を起こしうる状態を見定め、最適なタイミングで広告を配信することを指す。

そもそも、静止画広告との比較において、動画広告は情報量が圧倒的に多く、視覚と聴覚からアプローチが可能という優位点がある。さらに、Search領域で圧倒的な強みをもつアイレップだからこそ、独自メソッドに基づいたキーワード網羅手法によってパフォーマンスを最大化させることができる。一般カテゴリキーワードなどで検索したミッドファネル(比較・検討)ユーザーを捕捉し、獲得へ寄与させる「パルス配信」がアイレップの絶対的強みであると強く語っていた。

セミナー 第3部
「企業におけるデジタルブランディングの重要性」(パネルディスカッション)

(モデレーター:アイレップ 取締役 北爪宏彰/パネラー:デル 堀紗織、三井住友カード 福田保範)

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(写真左から、パネラー:デル 堀紗織、三井住友カード 福田保範/モデレーター:アイレップ 取締役 北爪宏彰)

Q1.前半講演の感想をお伺いさせてください。

福田氏: 再確認できたという感想です。受動的と能動的ということが社内にきちんと認識して運用していく必要性があることを改めて感じました。ユーザーが如何にして行動変容を起こしているか、その結果、カード入会が何件取れたのか等に今後も注力していかなくてはならない部分ですので、パルス配信を取り入れようと思っています。サーチリフトとコンバージョンを上げていくために、いきつくのはこの配信手法だなと感じました。

堀氏: 前半パートは認知だけではなく行動につなげるという部分、特にアイレップさんのパートはパルス配信という手法に期待しています。

Q2:動画マーケティングを実施するに至った背景を教えてください。

福田氏: 当社は、国として掲げられているキャッシュレスビジョンを推進しています。キャッシュレスは、よくよく考えてみるとユーザーにとってメリットが多い施策ではあるのですが、なかなか自分事化ができません。これをかみ砕いて丁寧に説明していきたいと思っています。現在は「Have a good Cashless」をキーメッセージとして、キャッシュレスになることで得られる自由さ、楽しさをわかりやすく伝えるために、TVCMで流している素材の他にWeb動画を使っています。訴求内容は、日々のお金に関する心配や手間が減り、現金から解放されて身軽になるイメージです。当社では、購買ファネルの各段階においてもとめるゴールが異なるため、細かく一項目ずつ、KPIを設定し、一つ一つどのメディアが最適かを数値化し、可視化しています。可視化したことで、どの項目がどの施策に適しているか適切に選択できる仕組みを採用しています。

堀氏: 数年前までは、既存のサイト来訪者に対してのリタゲなどを通して直近でのコンバージョンにフォーカスするやり方がメインでした。 結果として、認知度が低下してきたこともあり、マーケティング投資の在り方を抜本的に見直してマス広告含めたバランスの再配分を実施しました。 また、マスと刈取り、だけではなく、スマホの普及で多様化しているメディア事情を鑑みて、動画広告の可能性もテストすることになりました。 テレビは認知形成に未だ大きな力がありますが、コストも高いです。なので、その補完的役割、つまり低単価での認知形成後の維持を目的に始めました。

Q3:2019年、動画でチャレンジしたいことは何ですか。

福田氏: 受動的と能動的ということを意識し、能動的な方に効くHUB動画の掘り下げを行っていきたいと考えています。獲得に寄与する動画広告の効果の追求を行っていきたいと思います。


堀氏: PCに興味関心がない人にも利用シーンを動画にて見せて訴求し、より顧客獲得につなげたいと考えています。また、効率を上げるためにも、TVの視聴データなども活用しデジタル施策と融合させ効率化を図っていきたいです。

セミナー 第4部
「フルファネルマーケティングのKPIとデータ・ドリブン クリエイティブ最新事例」

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(講演:アイレップ 執行役員 平知己)

今まで、アイレップで取り組んできた制作について、過去作品などに触れた上で、アイレップとしてこだわってきたことは、「撮影を含む動画制作の内製化」だという。ユーザーの求める情報の多様化によって、動画制作の際に求められることも多パターン化することを想定し、内製化に至った。アイレップが提唱している「パルス配信」を行う上で、ユーザーのニーズに合わせてプランニングを進めると、合理的でクリエイティブ性が高い動画を多数のパターンで制作する必要がある。TVCMをメインに制作を行ってきた総合広告会社とアイレップとの違いは、デジタルに特化してきたからこその気づきや発見があるという。例えば、TVCMは、全体的に綺麗な見せ方を意識するため、画面の中の文字を小さくするが、映像を視聴する際にスマートデバイスでの視聴がメインとなっている昨今の流れの中で、TV受像機と比較して圧倒的に小さい画面に加え、横型のフル画面ではなく縦型で視聴している人も少なくない。そのため、アプリ内動画や、動画CMの勝ちパターンとして、ラストカットに、No.1訴求、検索窓、サービスロゴを入れている企業が多い傾向にあるという。その他、今世の中で調べられている検索キーワードのジャンルを深堀し、その内容も動画クリエイティブに反映していくことも重要であると強く語っていた。

この記事の著者

DIGIFUL編集部

「DIGIFUL(デジフル)」は、(株)アイレップが運営する「デジタル時代におけるマーケティング」をテーマにした、企業で活躍するマーケティング担当者のためのメディアです。

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