2013.09.26

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プレスリリース

【アイレップ ネット選挙運動白書2013】
2013年7月の「参議院議員選挙」における各政党のネット利用状況を調査
●キーワード検索時における各政党公式サイトの順位状況
●各政党公式サイトのSEO対応状況
●Facebook、Twitter利用状況

広告主のマーケティングを最適化するデジタルマーケティングエージェンシーの株式会社アイレップ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:紺野俊介、以下アイレップ)では、7月の参議院議員選挙で、各政党が行った「ネット選挙運動」の取り組みについて調査いたしました。
平成25年4月19日のインターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律の成立を受け、今回の参議院議員選挙は、初のいわゆる「ネット選挙運動」となりました。
今回、各政党公式サイトのSEO対応状況や候補者のインターネット上での活動について、当社評価基準で調査しましたのでご報告いたします。

≪調査項目≫

■各キーワード検索時における、各政党公式サイトの表示順位に関する調査

  • 1ページ目(10件)に各政党公式サイトが表示される割合は2割以下
  • 具体的な政党名を掛け合わせた検索時において、上位3位以内に各政党公式サイトが表示される割合は、3割~8割弱と政党によりばらつきあり

■各政党公式サイトのSEO対応状況

  • 5つの要因からの分析で、サイト構築の改善の余地が明確に

■東京・大阪選挙区で出馬した候補者のFacebook、Twitterアカウント開設状況

  • いずれも開設は約6割、どちらか開設は約8割

■参考:選挙プランナー三浦博史氏に聞くネット選挙運動の今後

○調査概要

■調査内容 
: [1]政党のSEO対応状況調査対象として今回の参議院議員選挙における当選者数上位6政党の 公式サイトについて、2013年7月24日時点で取得したYahoo!検索10件表示設定の検索結果を調査
[2]東京・大阪選挙区で出馬した候補者のFacebook、Twitterのアカウント開設状況を調査
■調査実施者 
: 株式会社アイレップ SEOグループ

調査結果

■有権者の関心があると想定されるキーワード検索時における、各政党公式サイトの順位調査

有権者の関心があると想定されるキーワードで検索を行った際に、各政党公式サイトの順位状況を調べたところ、検索結果1ページ目(10位以内)に各政党公式サイトが表示されたのは、2割を切る結果となりました。サイトによっては101位以降となる割合が8割を超えるものもありました。
一般に検索利用者は検索結果の1~2ページ目までを探すことが多く(“各政党公式サイトのSEO対応状況調査”の参考データ参照)、こうした掲載状況は、有権者が能動的に情報にアクセスしようとしても、せっかくのコンテンツを探しづらい状態であることを表しています。
【図1~図3】
▼調査対象政党について:
2013年7月の参議院議員選挙における当選者数上位6政党の公式サイトを調査(以降同様)
自民党(https://www.jimin.jp/)、民主党(http://www.dpj.or.jp/)、公明党(https://www.komei.or.jp/)、
日本共産党(http://www.jcp.or.jp/)、みんなの党(http://www.your-party.jp/)、日本維新の会(https://j-ishin.jp/)

図1

※順位について:
弊社順位観測ツールによるYahoo!検索10件表示設定の検索結果順位(取得日:2013年7月24日)

▼調査した36個のキーワード(該当する事項に想定されるキーワードを無作為抽出)

図2
図3

※予想検索数:
Google が提供しているキーワードツールより抽出した月間平均検索数に、Nielsen//Netratings 発表(2013年1月)の検索エンジンシェアより算出した、アイレップ調べの日本国内全体での予想検索数(取得日:2013年7月24日)

■有権者の関心があると想定されるキーワードと、具体的な政党名を掛け合わせた検索時における、各政党公式サイトの上位3位以内表示調査

有権者の関心があると想定されるキーワードと、具体的な政党名を掛け合わせて検索を行った際に、各政党公式サイトが上位3位以内に表示される割合は、3割~8割弱とサイトによりばらつきがありました。
具体的な政党名を含んだキーワード検索は、一般にその政党公式サイトが検索上位に表示されることを検索利用者は期待しています。検索エンジンを通じた有権者と政党のコミュニケーションを円滑に行うためにも、適切な対応を実施することが求められます。
【図4、図5】

図4
図5

※代表者名、候補者名例:
自民党の場合「代表者名:安倍 晋三」「候補者1:西田 昌司」「候補者2:山本 一太」/候補者①②は当選者のうち検索数上位2名を選出
※「$●●●$ ▲▲▲」は、「$政党名$ 参院選」の場合、「各政党名 と 参院選」の組み合わせでの検索を指します

■各政党公式サイトのSEO対応状況調査

各政党公式サイトのSEO対応状況を当社評価基準の5つの要因で調査したところ、各政党公式サイトの特徴が表れ、また、サイト構築の改善の余地があったことが明らかになりました。【図6】

図6

※各要因説明
◆ ページ内キーワード要因:1つ1つのWebページに、有権者が検索時に利用しうるキーワードが適切に含められているかを調査します。サイト全体を通じてキーワードが適切に配置されているサイトを5点、含まれていないサイトを1点としています。
◆ページ内HTML構造要因:1つ1つのWebページのソースコード(ホームページの開発言語)の文法や記述方法を調査します。ソースコードをシンプルかつスリムに、情報を論理的に記述することが検索エンジンの可読性を高め、検索順位の改善につながります。適切な記述を行っているサイトを5点、不要なソースコードが含まれていたり論理性を無視したサイトを1点としています。
◆コンテンツ要因:サイトで公開しているコンテンツ(情報)の数量や話題の網羅性、更新性を調査します。一般に豊富で多様な情報を公開しているサイトは検索エンジンからの評価も高く、検索利用者も見つけやすくなります。コンテンツが充実しているサイトを5点、更新性が低く情報量に乏しいサイトを1点としています。
◆クローラビリティ要因:公開したWebページがどれだけ検索エンジンに認識・取得されているか調査します。検索エンジンは人手ではなく自動的に世界中のWebページを取得してインデックス(索引)を作成するため、構造的に情報にアクセスしやすいサイト設計が求められます。アクセス設計が優れたサイトを5点、アクセスに問題があるサイトを1点としています。
◆サイト構造要因:サイト内の、どこにどのような話題のコンテンツがあるかを構造的な観点から調査します。ディレクトリ単位やページ単位、それらをつなぐURL(ハイパーリンク)の分類・作成を適切に行うことにより、検索キーワードに合致するページが検索結果に表示されやすくなり、検索利用者がストレスなく情報を探し出すことが可能となります。サイト全体の構造設計が優れたサイトを5点、話題が不明確など設計に問題があるサイトを1点としています。

■(参考データ) 検索結果の閲覧ページ数

今年2月に当社が調査しました「有権者1,000人に聞いたネット選挙解禁に関する意識調査」によると、自分が投票しようか迷っている候補者の名前を検索エンジンを使って調べる際に、検索結果が10件ずつ表示される場合、何ページ目まで情報を探すかインターネット端末別に聞いたところ、1ページ目または2ページ目までと回答した有権者が全ての端末で半数以上を占めました。
【図7】

「有権者1,000人に聞いたネット選挙解禁に関する意識調査」

■調査対象 
: 日本の有権者1,000人
■調査手法 
: インターネット調査
■調査期間 
: 2013年2月27日~2013年2月28日
■調査実施者
: 株式会社アイレップ
■回答者属性
: 20代・30代・40代・50代・60代以上の各世代の男性100人、女性100人ずつ
図7

■東京・大阪選挙区で出馬した候補者のFacebook、Twitterアカウント開設状況調査

今回の「ネット選挙運動」の注目の1つでもあるソーシャルメディアの利用状況についても調査しました。東京・大阪選挙区で出馬した候補者で、Facebook、Twitterのいずれもアカウント開設したのは約6割。どちらかでも開設したのは約8割にのぼりました。また、この選挙区においては、当選者はFacebook、Twitterのいずれもアカウントを開設していました。

以上のことから、候補者の間でFacebookやTwitterといったソーシャルメディアの活用が広まっていることが判明しました。しかしながら、情報発信を起点とする、意図しない話題での拡散などもあり、誰でもインターネット上で自由に意見発信ができる現在、候補者のオンラインレピュテーション(※)をおこない、運用することが重要になってきています。

※インターネット上で検索した際に表示される情報を管理・監視すること

【図8,図9】

図8,9

■選挙プランナー 三浦博史氏のコメント

今回のネット選挙運動について、選挙プランナーの三浦博史氏は以下のように分析しています。
今回の参議院議員選挙からネット選挙運動が解禁となりました。当初、ネット選挙運動解禁によって投票率の向上が期待されていましたが、ふたを開けてみると、前回比5.31ポイントダウンの52.61%でした。ネット選挙運動の解禁が、当初の期待に反して盛り上がりに欠けた大きな理由の1つとして、ネットという舞台がいくら良くても、選挙をするサイドのワクワク・ドキドキ感の演出が上手くできなかったことが挙げられます。
但し、政党によるネット選挙運動は、温度差はあるもののそれなりに善戦したと思います。各政党のネット選挙運動で特筆すべきは、自民党のゲームアプリ「あべぴょん」、そして共産党イメージの一新を狙った「カクサン部」です。これらのゆるキャラキャンペーンは、今までの堅い政党のイメージとは違った印象を有権者に与えたものと思われます。また、公明党はLINEをうまく活用し、支持者のネットワークを活性化させていたと思います。
政党の公式サイトのSEO対応状況をみると、改善の余地がたくさんありそうです。政党の公式サイトは、政策などの情報・コンテンツを格納・一覧できる政党の一次情報の置き場として重要ですので、今後は、ネット上で有権者や支持者をより一層盛り上げるような演出や、目的に応じた企業とは異なったSEO対応を行っていくのがよいのではないでしょうか。

株式会社アイレップについて

アイレップは広告主のマーケティングを最適化する「デジタルマーケティングエージェンシー」です。デジタル領域における、リスティング広告、運用型ディスプレイ広告、SEO(検索エンジン最適化)、SMO(ソーシャルメディア最適化)、Web 解析、LPO(ランディングページ最適化)まで、多様化する広告手法やデバイスに対応した質の高い専門サービスをワンストップで提供し、企業価値の向上に努めてまいります。

━━ 会社概要 ━━

社名
:株式会社アイレップ
所在地
:東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー7F
URL
https://www.irep.co.jp/
代表者
:紺野俊介
設立年月
:1997年11月
資本金
:5億4,914万円 (2013年9月末現在)
事業内容
:デジタルマーケティング領域・SEMサービス(PC/モバイル/スマートデバイス)・運用型ディスプレイ広告・ソーシャルメディアマーケティング・アフィリエイトマーケティング・インターネット広告
デジタルメディア領域・ 住宅展示場サイトの運営(総合住宅展示場)・ 食育メディアサイト(ちゃちゃめし)

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